リスボン

ここは2泊程度で出ようと思っていたが、結局4泊してしまった。この街に来た理由はただ、ユーラシア大陸の最西端、ロカ岬にいくことだけだった。しかし 行くまでに3日かかってしまった。リスボンは、なんかイスタンブールの町並みと似ているところがあった。それは赤い煉瓦の家が丘に立ち並ぶせいなのだろうか。でも明らかに雰囲気は違っていた。イスタンにあった活気がここにはなかった。 バスコダ・ガマ やら日本に向け出港した、その頃の活気がまったく感じられなかった。まるで役目の終えた老人が ”日向ぼっこ” をしながら、昔話をしているかのような印象をうけた。そんな、しっとりとした町並みが僕をセンチメンタルにさせ、そして今の旅を今一度みつめなおした。
 アジア横断であった多くの人は、旅の目的地を持っていた。アジアの果てイスタン。中東の終わりエジプト。アフリカの端 喜望峰。世界一周の最後カナダ。そして、ここロカ岬もまた目的地であった。しかし僕には目的地はなかった。ただ「世界異文化模索」というモノをカメラに写す行為を目的として道を進めていた。ひたすら、夕日の沈むほうへ沈む方へと。バスで夕刻移動しているとき、赤く染まった太陽がフロントガラスに映り、その太陽が遥か遠く道の先に沈むのを見て、「あー、俺は進んでいるんだな」と漠然と確信していた。

 リスボンの町並みが一望できる城に2日間通い、いろいろ考えた。
 1日目、もしかするとここ西の果てが僕のゴールなのかもと思い旅行代理店に行った。そして、バンコクや成田行きのフライトチケットの値段を聞いていた。しかし、値段を聞いたところで何の現実味も持てなかった。その時、”やはりここはゴールではない!” と確信した。
 2日目、エジプトやイスラエルが行けなくなったという現実を見つめ、これからの旅のプランを考え、前を見つめると急に楽しくなってきた。
 そして3日目、リスボンより1時間半ほど離れたロカ岬につくことができた。ユーラシアの果てについた記念のワインを買ってきたのだが、天気はあいにくの雨。それも強風つきの。多くの人は寒くてバスから降りると記念写真をとってすばやく帰ってしまうが、僕は雨のなか海と乾杯して最西端についた事を祝った。そして、別に夕日は見れなくてもいいかと、逆に見れなくてもいいかと思った。なぜなら、 ”ここは僕のゴール” ではないから。
 岬は何もないところなのだが、僕を思いにからせるには素晴らしいところで結局4時間たたずんだ。最後の方になると雨、風はやみ、青空が見えてきた。そして夕日も見れそうだった。しかし、僕はあえて見る事をせずバスに乗って、その地を去った。夕日を見たらゴールになってしまうとかと思って。

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