2001年5月21日    バナラシ

本日デリーへ出発。14時発のSLに乗り、着くのは明日の6時。どうせ予定どうりには、つかないであろう。思い起こせば1週間前、バナラシに降り立った。この一週間はかなりの刺激が俺に染み込んで来た。    この街に来るまでもまた、大変だった。国境の街を朝7時に出て、途中の街で乗り換えた。ツーリストバスでなくローカルバスで。”人々の生活を詰め込んだバスに乗りたい” という余裕を持った思いからでなく。ツーリストバスは、ぜってー俺たちを ”ボる” という、インド人をはなから信じないという思いからであった。乗り換えたバスが恐ろしく安全運転なのである。というか安全運転しかできないエンジンだった。多くの車に追い抜かされ19時に着くと行ってたはずが着いたのは23時であった。途中の道で、事故現場に遭遇し渋滞にも出会った為だった。夜11時この街に降り立った2人の日本人はかなりビビッていた。宿によっては ”日没後外出禁止” という所もあるぐらい ”夜は危険” なのである。恐怖と戦いながら宿までの道を歩いた。人に声をかけられるたび顔面が硬直する。無事着いたが翌日は、昼間も、とっても外を歩く気がしなかった。移動の疲れ、精神的疲れから一日中ベッドの上にいた。

そして次の日、ゆっくりと街を歩こうとと思い外に出る。客引きが、しつこ過ぎる。むかついてきて、俺は客引きに怒鳴ったら、彼からちょっと恐い言葉をかけられてしまった。  「I kill you」  俺は、もうこの街には居れないと思った。まだ、インドというものを理解してなかったようだ。その時、あの言葉を思い出した。

「インド。それは人間の森。木に触れないで森をぬける事ができないように、人に出会わずにインドを旅する事はできない。」  インドにはこういう喩えがある。深い森を歩く人がいるとしよう。その人が、木々のさわぎを、小鳥の語らいを心楽しく聞き、周りの自然に溶け込んだように自由に歩き回れば、そこで幸福な一日を過ごすだろう。だが、その人が、例えば、毒蛇に出会うことばかり恐れ、歩きながら不安と憎しみの気持ちを周りに振りまけば、それが、ヘビを刺激して呼び寄せる結果になり、まさに恐れていたように ”毒蛇にかまれる” ことになる。    ガイドブックに載っていた言葉なのだが、この言葉を噛みしめていくうちに、インドというものが ”とてつもなく面白いもの” に変わった。個性の強すぎる客引きたちには ”同じテンションで付き合う”と、彼らから ”いかに断るか” がゲームのように思えた。また、こっちのペースに持っていくと、彼らから色んな事を聞け、インドの深い部分に触れられる事が出来た。  しかしテンションの高い時はいい。テンションの低い時彼らに会うと、やはりとてつもなくムカツク。

あっそうそう。”殺す” と言われた彼とは、ちゃんと仲直りしました。

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